飛行機への落雷
この飛行機への落雷は,北陸の冬季雷嵐活動時に,防衛大学校の学生さんによって撮影されたものです。より正確に は,飛行機への落雷ではなく,この飛行機が雷雲の下で雷放電をトリガした(落雷させた)というべき現象です。
実際飛行機の上部では放電路が上向きに枝分かれしていますし,下部では下向きに枝分かれしています。ですから飛行機 上部では,飛行機から上空に向かって,飛行機の下部では,飛行機から大地に向かって放電が進展したことが判ります。
ちなみに,このときの落雷は雷雲の負電荷を大地に落とす落雷であり,飛行機から上空に向かう放電は正極性の放電, 大地に向かう放電は負極性の放電であったことが知られています。
最後にこの落雷で飛行機はなんらダメージを受けることなく,飛行を続け目的地に安全に到着しました。飛行機本体が金属 であるため,落雷による被害は原則として受けることが無いのです。